大判例

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和歌山家庭裁判所 事件番号不詳 判決

本籍 和歌山市湊北町一丁目一七番地

住居 海南市日方六五五番地

料理業 丹生谷フサエ 明治三十二年四月九日生

主文

被告人を罰金二万一千円に処する

右罰金を完納しないときは金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する

訴訟費用は全部被告人の負担とする

理由

一、罪となるべき事実

被告人は頭書住居に於て「一福」なる屋号で料理業を営む者であるが

第一、昭和三十年四月初旬頃児童である○泉○香事○栄○(昭和十三年二月二十八日生)

第二、同月下旬頃児童である○岡○○美(昭和十二年十二月十日生)

第三、同年五月初旬頃児童である○○子(昭和十四年六月十三日生)

の各年齢につき何れも戸籍の調査その他適正なる方法により之が確認を為さず右一福に於て自家接客婦として夫々雇入れ各雇入れの日頃より同年十一月下旬頃までの間前記一福その他に於て多数回に亘り多数の遊客を相手に右各児童に夫々売淫せしめ以て児童に淫行をさせる行為を為したものである

弁護人は右第一の児童○栄○は朝鮮人であるが児童福祉法違反の場合外国人たる児童がその対照になるかどうか日本人児童を保護する程度に考慮する必要はないものと思料すると指称するも児童福祉法の理念とするところはすべての国民に対し児童が心身共に健かに生育されるよう務むる責務を負担せしめ且つその児童は満十八歳に満たない者であれば足り日本国籍を有する者であると否とを問わないので児童福祉法第三十四条児童保護のための禁止行為の対照たる児童には当然外国人又は無国籍人たる児童も之に包含しているものと解するので所論は採り難い

二、証拠の標目

一、当公廷に於ける被告人の供述

一、司法警察員に対する○泉○香こと○栄○の供述調書二通

一、司法警察員に対する○岡○○みの供述調書謄本

一、司法巡査に対する○○子の供述調書

一、忠岡町長杉原安治作成○栄○の身上調査に関する照会回答書

一、四条町役場作成○岡○○美の身上調査に関する照会回答書

一、大阪市西成区役所作成○○子の身上調査に関する照会回答書

一、司法警察員に対する西川清、○チヨノの各供述調書抄本

一、司法警察員に対する被告人の供述調書二通

一、検察官に対する被告人の供述調書

三、法令の適用

被告人の前示各所為は何れも児童福祉法第三十四条第一項第六号第六十条第一項第三項に該当するので所定刑中夫々罰金刑を選択し且つ各所為は併合罪の関係にあるので刑法第四十八条第二項に則り所定各罰金の合算額以下に於て主文の刑を量定し更に換刑につき刑法第十八条訴訟費用の負担につき刑事訴訟法第百八十一条を各適用して主文の如く判決する

(裁判官 宇都宮綱久)

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